尋常性白斑は、白斑を呈する全ての疾患の約60%を占める最も頻度の高い色素異常症であり1)、さらに日本皮膚科学会が行った定点調査によると、皮膚疾患患者の1.68%を占め、疾患別では第18位を占める比較的頻度の高い疾患である2)ことが報告されている。しかしながら、現在のところ、有効な治療法が限られ、まだまだ多くの症例において治療に難渋しているのが現状である。海外に目を向けても同様な状況にあり、多くの基礎的研究の報告はあるものの、臨床的な状況は我が国のそれと大きくは変わらなかった。
そんな状況の中、2010年にAlain Taieb教授(Bordeaux大学)とMauro Picardo教授(San Gallicano Dermatology研究所)がthe Vitiligo Global Issues Consensus Conference (VGICC) を立ち上げ、我が国を含めた世界中のvitiligo研究者がインターネット、あるいは時に一堂に会して、これまでにvitiligoに関わる多くの諸問題、および新しい治療法の開発に向けて議論を重ねてきた。その中で、言葉の定義や病変の評価等についてこれまでに合意を形成され、成果を報告してきた3)。その様な国際的なvitiligo研究の流れを受け、我が国における国際的な窓口の設置の必要性と国内の白斑研究者の意見交換の場が必要であるとの機運が高まり、ここに日本色素細胞学会の下部組織として白斑研究委員会(仮称)を設置した。この委員会が国際的なvitiligo societyとの懸け橋となり、国内の白斑研究者の活発な意見交換の場となることが期待される。